傍聴記#35 多重人格

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被告:20代の女
罪状:信用毀損罪
概要:精神病クリニックで自殺すると喧伝し、病院の信用を棄損して業務を妨げた。ただしやったのは被告の中の別人格なので無罪主張。
※青文字は俺の感想


被告「あなたの中に5人の人格がいると先生から言われた。診断前は気付いていなかった。DID(解離性同一性障害)という病気であると言われた。


被「事件を起こした子と話してみましょう、と先生に言われた。
先生が「この中にやった子はいる?」って聞いたら、1人の人格が「自分がやった」って答えた。


被「それも後で知った。先生が教えてくれた。治療中でもうっすらと何があったのかは何となくわかる。


被「前から自分で自分のことをどこか変だと思っていた。
自分がやっていないことを、やったことにされたことがあったり。

弁護人「男の人格もいると?
被「はい。私の頭の中がすごくうるさい時があったので。でもそれが別人格のせいなのかは分からない。


被「例えば絵を描いていて、別の声が頭の中に響く。
自分が考えていたことに対して「それは違うぞ」って言う声がする。

自分自身で「それは違う」と考えたわけではない。自分の考えとは真逆の意見を言ってきたりするので。
「自決せよ」っていう声が。当時は交代人格のせいだとは知らなかった。


(この女はガチなの?)


被「夜にコインランドリーの様子を見に自転車で行ったんです。そしたら何かを落として。

ちょっと通り過ぎたんだけど、やっぱり戻って拾おうとしたら女が出てきて。その女から異常なくらいに罵られた。

「あんたは62歳なんだからね!」
「あんたがやったんだ!」って。

「あなたは誰なの」って聞いたらメンタルクリニックに世話になっているものだって。

後で分かったんですけどその女は先生の奥さんでした。


被「それで自転車で家に帰ったら、非通知の電話がたくさんかかってきて、数人の足音が部屋の上に響いて。

全然知らない人にストーキングされているんだなって思った。だから自分の身を守らないといけないって思った。


(・・・こいつマジモンか。どう考えても先生の奥さんのわけないだろ・・・。幻覚か?)


被「それでネットで弁護士を調べました。そしてアポイントをとって弁護士に相談してマイロイヤー契約をしました。


(意味わからん・・・。法廷の空気が重い)


裁判官「なぜ弁護士と契約を?
被「それによって自分の行動を抑制しようとした。法律で。

裁「抑制とはどういうこと?
被「・・・・・なんだろ。よくわからない。私はおかしいんだから大人しくしてなさいっていう意味。それでストーキングが終わると思ったので。

裁「・・・
弁「マイロイヤー契約によって別人格が何か問題を起こすのを防ぎたかったという意味?
被「そうだと思う。


(なるほど、弁護人いい仕事するな)


裁「・・・さて、今後の審理の進め方ですがいかがしましょうか?次回はドクターの尋問と意見書を待つということで双方ともよろしいでしょうか?

弁「はい
検察官「結構です


俺感想
多重人格者って初めて見たかも。ドラマとか小説には大量に出てくるけど。

法廷では稀に邪悪なやつを見ることがあってそういうやつは絶対に自分の人生で関わってはいけない存在って思わされる時がある。

だけどこの女性はそういう奴らとは全く違うベクトルで絶対に関わってはいけない類の人間であると何かが俺に警告してくる。




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