傍聴記#31 損害賠償 レクサス編

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原告:大学生
被告:中古車販売店の社長
概要:レクサスを返品したい
※青文字は俺の感想


原告「中古車販売店に車を買いに行った。安い車を買う予定だったがレクサスを提案されて買った。もし気に入らなかったら後で交換できるよって言われた。


(???、そんな話ありえるか?)


原告「そのレクサスは改造されていると言われた。でも詳しい説明はなかった。車検も通るし、ホイールもはみ出ているけど大丈夫だと言われた。あと車高も低いし、エンジン音も大きいと言われた。


原告「車両販売契約書の読み合わせはなかった。さらっと読んで契約書にサインした。


(???、この子アホなの?)


原告弁護士「ローン申請書に630万とあるけどこれは?
原告「僕の年収みたいです。でも僕は学生なので嘘です。中古車社長の提案で嘘のローン申請をした。実際はそんな収入はない。


原弁「申請書は誰が作った?
原告「社長です
原弁「ローンだと電話が来るよね?
原告「なので社長から電話で何か聞かれたら全て「はい」と答えろと言われた。


(おいおい、やべーだろw)


原告「でも後日でやっぱりキャンセルしたいと言いに行った。
原弁「なぜ?
原告「学生にレクサスは早いと思った。それに運転しづらいしローンを考えると厳しい


原告「社長からはキャンセルはできない、次の買い手を見つけるまで待ってと言われた。それで安心してたんだけど全然連絡がない。そして今現在も売れていない。


原告「ある日レクサスからリコールの手紙が来た。それでレクサスの正規店にいったら改造されているのでうちでは車検できないと言われた。
なんか色々話も違うし連絡もないし、もう社長怪しいなってなって。弁護士に相談して今に至る。


(う~ん・・・。学生を騙して違法車を売りつけた社長って言いたいのか?ローンのくだりは微妙だけど。
でもなんか違和感がある。社長の言い分を聞かないと判断できないな。)



~~~被告人弁護士による原告への反対尋問~~~


被弁「買う際にエンジン音が気になるみたいなことは言ったか?
原告「・・・言ってないかも
被弁「でも準備書面には聞いたと書いてあるが?
原告「・・・言ってないと思う
被弁「じゃあ書面が間違っている?
原告「はい、そうですね
被弁「わかりました


(おいおい、学生さん・・・サラッと流したけど今のやり取りは失態だぞ。

自分の出した準備書面に誤りがあったということを自分で認めたわけだが、これでお前の信用性落ちたからな。

書面に1つ嘘があったということは他にも間違っている箇所があると裁判官に判断されるぞ)



被弁「車検が通らない理由は何だと思った?
原告「タイヤ幅が改造されているから?分からない
被弁「ならタイヤ交換すればいいのでは?
原告「もう車検が切れてしまったので。運転するにも仮ナンバーがいる。自宅の車庫に置きっぱなしになっている。


(被告側は不良品を売りつけたわけではない、という主張か。確かに不良品を売りつけたのであれば不利だが、原告が車検を通す努力を怠っている、という形に持って行ったな。これは原告側は厳しいぞ・・・)


~~~被告人質問~~~


(さて、原告の攻撃はいまいちヒットしなかったが、被告の反撃ターンの開始だ)


被告人弁護士「本件のレクサスはどこで手に入れた?
被告「USSというオークションサイトで手に入れた。在庫の仕入れと売却のために日頃から利用している。USSでは車検に通らない車の出品は禁止、事故車両も申告しないとダメというルールがある。


被弁「USSに参加するには?
被告「保証人が2人いる。古物を持っていて5年。実店舗を持っていて5年。クレカで事故を起こしていない。これらの条件を満たさないと加盟できない。条件は割と厳しい。


被弁「本件のレクサスがそうだが、ショー・カーとは何か?
被告「メーカーが自社で車を改造をしてショーに出展するための車。


(へー、そんなんあるんだ!)


被弁「車検に通らないことはあるか?
被告「陸運局の検査員の判断次第。車幅は5センチ違っても通ることもあるし、2センチまでなら通す、というパターンもある。


(被告は冷静に淡々と答えていてすごいな。頭の回転が速そうだ。)


被弁「車幅は変えていい?
被告「陸運局に変更の理由を届ければ車検証を変更できる


被弁「本件のレクサスの車高は9センチだが車高が低いとダメ?
被告「低すぎるとダメ。でも検査員次第。あと地域によっても割と基準が違う。


被弁「車高は調整できるか?
被告「改造の際に調整可能なように改造していれば変更できる。ただしスプリングを切断してしまった場合はもう調整は不可能。


被弁「販売時に契約書の読み合わせはした?
被告「当然した。当社の社員が対応した。


被弁「レクサスをUSSにもう一度出せばいいのでは?
被告「もちろんその方法もある。しかしオークション形式なので買った値段で落札されない可能性があると原告には説明した。


被告「あと転売するのなら残債務を一定以上整理しないと所有者変更手続きを行えない。そこも対応してもらわないとこちら側としても厳しい。


(車はローンが残っていると基本的に売却のハードルは相当上がるからな。家もそうだけど)


被弁「なんでレクサス正規店で車検を断られたと思う?
被告「改造車は基本的に嫌がられる。トヨタ系列なので抜き打ち検査が厳しい。もし車検証と違う車検を通していたことが発覚するとペナルティが大きい。

被告「高級ディーラーなので例えば私の今の作業着でレクサスの正規店にいったら「裏口からどうぞ」って言われる


(へー、そうなんだw)


被告「うちなら車検を通せる。原告側には示談の条件として車検を通す、という提案は前からしている。確実に通せる自信があるし、うちも陸運局やってる。


俺感想

こりゃ被告の圧勝だ。

そもそも売買契約書を交わしてたら自己都合で返品なんて普通通らないだろ。

原告はとりあえず社長の力を借りて車検を通してもらえ。
それでメルカリにでも出品しながらレクサスに乗ったらいい。

というか知らない業界の民事裁判は面白いな。勉強になる。



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